OFF 猟奇犯罪分析官・中島保 ★★★★☆
「on」の後、比奈子さんが、中島保をぜんぜん疑っていなかったけど、読者として、最後まで疑ってかかってました(笑)。それが、この巻で払拭されました。
「on」と別視点で書かれたため、わからなかった、知りえなかったものが浮き彫りにされて、面白かったです。疑いもせず、思い込んでいたものが、覆されて、新たな発見もあって、同じ事件で真相を知っているにもかかわらず、展開にドキドキしました。
彼の、悲しみと危うさが、どんどん深刻な事態を引き起こしているのに、自ら「弱い」と思い込み、止められないという口実見つけ出しては、深みに嵌っていくところに真実味がありました。境界線などないのだと、出会ってしまったものが残酷であればあるほど、人はいつでもそちらに転がっていく可能性を秘めているのだと、突き付けられた感じです。
火のないところに煙は ★★★★☆
実話を取り入れたこの短編集が、最後どこに繋がって、どうやって終わるのか考えるのが面白かったです。実際に、投稿されたTwitterもあったというのだから、現実を織り交ぜた話の進め方に引き込まれました。
お話の中では、占い師の存在がちらほら見えかかるのに、ぼやけてしっかり見えない薄暗さが怖かったです。話の曖昧さも染みるような恐怖となってやってきて、一つ一つの行動の繋がりに気付かされた時、怖さが倍増するってのも凄かったです。
カバー裏のQRコードにアクセスしても、掌編が読めなかったのが残念!期間外になっちゃったのかな。
夢探偵フロイト マッド・モラン連続死事件 ★★★★☆
睡眠時に見る夢、その夢の共通項から、現実に繋がっていくという話が面白かったです。同じ夢を見ている人が、たまたま、同じサイトを見てメールをしてくるという現実はなさそうですが。
登場人物が個性豊かで面白いです。どんな人なのか、興味をもって読めました。特に植物学者の学長が好きです。小学校の校長先生が理科の先生で、校長室で生き物たくさん飼ってたので、懐かしく思いました。
それから「モラン」という名前の登場人物がムーミンに出てくるなんて知りませんでした。こういうセンスが自分にも欲しいところです。
小学館から、シリーズ作品が出ていたとは知りませんせんでした。、気づいて、4巻同時購入しちゃいました。フロイトの秘密が分かって、解決したら完結でしょうか。
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