「ミステリと言う勿れ」のセリフでヒポクラテスが出てきたので、言葉だけで言っている意味が分かって、ちょっとうきうきしました(笑)。ドラマ「ヒポクラテスの誓い」は見たことないんですけどね。
ヒポクラテスの試練 ★★★★★
感染症の発生源を特定するために、いろいろな人に会って、いろいろな場所に行って、考え方とか、生き方に触れていくところが面白かったです。それぞれの立場の違いから、真相への切り込み方に変化があるのも、物語に惹き付けられる要因ですね。
そして、真相がえぐかったです。隠し通してきた事実に、想像を凌駕する気持ち悪さが設定されていました。本では設定だけれども、現実にもこんな世界があるのだと見せられた感じです。胸糞悪さが、キャシーや真琴で中和されたのが、せめてもの慰めでした。
それにしても「腑分け」という言い方も、久しぶりに聞きました。「解体新書」で有名な杉田玄白の名前を知っている人は多いけど、「虎松」虎松の祖父の「老屠」という名前はほとんど聞いたことがないと思います。実際に解剖をしていた人のことは、学校で習わなかったし。今では教えているのでしょうかね。
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ドロシイ殺し ★★★★☆
やっと文面に慣れてきましたが、慣れてきても私の頭では複雑さにはついていけないのが悔しいです。ビルの不毛な掛け合いが面白く、案山子やライオンの心無い残忍さにヒヤッとさせられるところも面白いです。
ただ、世界と人をまたいだ推理に、全くついていけないんですよ。私が。それが、理解できれば、もっと楽しめると思うんですけど、今回も人物相関を諦めて読みました。それでも、このミステリーは面白いので、凄いと思います。
そして、今回はめちゃくちゃ衝撃を受けた巻になりました。それは、作者が亡くなっていたことです。やっと、ビルのウザさに慣れてきたのに、後1冊でお別れなのが辛いです。ご冥福お祈りします。
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ドライブインまほろば ★★★★☆
人の心の動きの複雑さを随所に感じました。自分の力ではどうにもできない現実の残酷さの中にあるわずかな救いを求めてもがく様子が苦しかったです。それでも、最期は希望をもって終わったのが良かったです。これからも、苦難は待ち受けているだろうと示唆されているとしててもです。
誰かに認められたり、必要とされたりした経験が少ない人ほど、反比例して人生に大きく影響してくるというのが、辛いなあと思います。受け取るはずだった幸せに気付かないことが、唯一の幸せになる方法の様で、それがまた、受け取る側の悲しみを深くさせる要因だなと思いました。
それにしても、児童虐待の絡んだ作品を、意図せず連ちゃんで読んでしまいました。重いです。
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