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12,1月に読んだ本。

最近、通勤で読書時間がとれないので、月2冊くらいしか読めなかったんですが、自宅療養中一気読みしたので、1月はたくさん読めました。積んどく本が溜まってきたので、もっと読みたいのですが、スマホに浸食されて、なかなか時間が取れません。ついYouTubeを見ちゃうんですよね~。

ふたたび嗤う淑女 ★★★★☆

最後の最後が酷かったなぁ。それまで、彼女に選ばれて死んだ人間にはあからさまに悪の部分があったけど、そうじゃない人間も躊躇なく殺すってところが凄かったです。自分で手を掛けず、言葉だけで「死」に誘導しいく巧みさに引き込まれました。

ただ、あの警官は、登場させる必要があったのかは疑問です。入れ替わってた所は、前作からの流れでわかってしまったので、それ込みでの伏線が張られてたのかなーと思いました。

前作読んだはずなのに、読書登録してなかったです。何となくしか覚えてない……。

夏の騎士 ★★★★☆

久しぶりに爽やかなお話を読んで気分がよかったです。勇気の使い方を間違わずに実践できるのは、持って生まれた資質だと思います。見抜く力と歩み寄る優しさを育てるのは、ホント難しいと思います。他人との関わりの中で、ある程度は養っていけるとは思いますが、センスが大きいと思っています。伸び悩む時期でも、そのセンスが散りばめられていて、徐々に大きく育っていくところが、お話として面白かったです。

前半では、切羽詰まっても、人生の岐路に立たされた場面でも、全く勉強をしない主人公に物凄く共感してしまいました。わたしも、勉強しなかったなー。勉強を継続するというのは、才能だなーと。そんな中でも、主人公は周りに支えられながら、大きく成長していけて、凄く羨ましかったです。

後半は読み進めるうちに、壬生さんのかっこよさがたまりませんでした。壬生さんの良さを徐々に見つけていく、素敵な設定で、私も主人公とともに好きなっていく経験ができました。強さは美しいですね。矜持をもって生きて行くことは凄く難しいけど、乗り越えた後の達成感は、本人にしかわからないです。だから、選択をすべき場面を見逃してはいけないと思わされた作品でした。

こんな素敵な経験があったら、その後の人生も楽しめるだろうなと思いました。って、この作品を読んだ後に、こんな他力な考えは違うんでしょうけど。

EVIL 東京駅おもてうら交番・堀北恵平 ★★★★☆

現在の事件よりも、うら交番で起こっていることが、どう繋がって、二人がどうなっていくのか、そっちの方が気になります。なので、今回は短編として読むミステリーとしては、目立った印象はなかったです。

今回の食べ物で気になったのは、里蕗のコンポートです。甘い蕗を食べる事があるって知らなかったです。それに、「アンゼリカ」ってフキだったんですね。そもそも、クッキーとかに入ってるあれが、アンゼリカって食べ物だってことも初めて知りました。ルバーブジャムも蕗みたいだし、結構お菓子として食べられているんですね。

虚談 ★★★☆☆

題名から「虚」と書かれているので、嘘なんでしょうけど、1話目の最終行に「嘘」と書かれていてあっけにとられました。まんまと物語に嵌っていますが、その不安感を楽しめなかったです。

嘘を主軸にした作品だと分かっていても、整合性のない不安定なお話を、楽しむ技量がなかったです。自分では思いつかない視点から繰り出される部分は、面白かったと言えなくもないですが、結局は自分で理解できる範疇のお話が好きなんだなと思いました。ま、そりゃそうか。私には、難しかったってことです。

隠温羅 よろず建物因縁帳 ★★★★☆

遂に完結しました。前巻の棟梁の死にへこみ、最終話までまた誰かの死を見なければいけないのかと思って、ドキドキしながら読みましたが、それが杞憂に終わってよかったです。

過去の繋がりを見つけ出して、秘密を解き明かしていくところが凄い面白かったです。曳家という職業を中心に、いろいろな仕事と人との関わり方を知ったのも面白かったです。

そして、クライマックスの疾走感が良かったです。動きが目まぐるしく、視点が変わった先に見どころが準備されていて盛沢山でした。それにしても、棟梁がかっこよかったです。かっこよすぎて、完全に周りが霞んでましたが。

噛みあわない会話と、ある過去について ★★★★☆

めちゃくちゃ怖い。ホラーです。タイトルからは、何気ないズレみたいなのを連想しましたが、そんな甘っちょろいものではなかったです。

大体一人称で進んでいって、出てくる登場人物の思考や行動がおかしな方に曲がっていくんですけど、そもそも、相手がおかしいと思っている主人公が一番おかしいのが怖かったです。

最初はあれっ?ていう差異なんですけど、お話の流れでその違和感が積み重なって行ったり、急に飛び出して来たり、いつ出会うかわからないところも恐怖で、凄いお話だなと思いました。

あと、解説が良かったです。幽霊が生まれるって表現も面白かったです。ただ、心理士さんだから、最後は再生に結び付けてましたけど、わたしは現実の理不尽さと憤りしか感じられなかったです。切なさなんて微塵もなかった。

某 ★★★☆☆

ジャゲ買いです。表紙が好きで、そして「某」とう題名が気に入って買いました。私は「なにがし」って読み方の方が好きですが、「ぼう」という読み方にしたのは、単独じゃなくて、添える言葉として表したかったのかなと思いました。

「誰でもない者」それは、人とも限らない者でした。関りの長さ深さによって、執着の度合いも変わってきて、登場人物の変化が面白かったです。たくさん変わり過ぎて、途中ごちゃごちゃしてきましたが。それぞれの生き方というか過ごし方の方向が多様なのが面白かったし、「誰でもない者」は「誰にでもなれる者」なんだなと思いました。

お話の中で、変わっていく風景も面白かったです。良いことも悪いことも、日常の中に、埋没していき、当たり前となっていきました。常に新しいものを取り込んで受け入れていく強さをもっているんだなと思いました。

不審者 ★★★☆☆

少しずつ侵食してくる不信感が、最後にスパッと晴れるのは面白かったです。でも、そこまでが長い!とてつもなく長く感じで、もういいよ~と思ってしまいました。

登場人物がいろいろ出てきますが、主人公が誰をも疑って、神経を研ぎ澄ませて日常を送っているので、読んでいて、それがめちゃくちゃ疲れました。最後に繋げるために、この長さが必要だったんでしょうが、張りつめている感じがいつまでも持続しているので、本当に疲れた一冊でした。持続力のない私には、合わなかったかな~。

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