東京国立博物館で開催されていた特別展「空海と真言の名宝」を鑑賞したあと、本館にも立ち寄ってきました。これまで東京国立博物館を訪れるたびに企画展を優先していたため、本館を見学したのは今回が初めてだったかもしれません。企画展だけでも見応え十分で毎回へとへとになってしまい、本館まで足を運ぶ余裕がありませんでした。
実際に本館へ入ってみると、まず目を引いたのは建物の風格です。重厚感のある外観だけでなく、館内も落ち着いた雰囲気で、展示室は広々としており、ゆったりと鑑賞できました。
展示内容も非常に幅広く、縄文時代の遮光器土偶をはじめ、刀剣や陶磁器、仏像、蒔絵、着物、近世・近代の絵画まで、日本美術の流れを一度に楽しめました。時代ごとに展示が分かれているため、日本の歴史や文化の変遷を自然にたどれる構成になっていて、かなり見応えがありました。
そして、印象に残ったのは、「高円宮コレクション」の根付です。根付は、江戸時代に印籠や煙草入れなどを帯から提げるための留め具として使われた小さな工芸品ですが、小さいながらも職人の遊び心や技術が詰まっていて、見ているだけで楽しかったです。
高円宮コレクションには、動物や人物、植物などさまざまな題材の作品が並んでいましたが、一番かわいらしいと思ったのは雪だるまの根付でした。ころんとした丸いフォルムが何とも愛らしく、象牙特有のやさしいクリーム色ともよく調和していて、素朴で温かみのある雰囲気が印象的でした。
一方で、最もインパクトがあったのは「焼柳葉魚(やきししゃも)」です。焼き魚をそのまま根付にしてしまう発想も驚きですが、口や鰓まで細かく再現されていて、その精巧さには驚きました。しかも素材は象牙。なのに、シシャモ……。会場でもひときわ異彩を放っていました。
企画展が目的で訪れることが多い東京国立博物館ですが、本館だけでも十分に時間をかけて楽しめる内容でした。でもやっぱり、途中で疲れちゃいました。
コメント