
エロール・ル・カイン展に行ってきました。会場は、絵本作家の展覧会をよく開催してくれる美術館で、個人的にとてもお気に入りの場所です。もっと近くにあれば、頻繁に通いたくなるくらい好きです。
エロール・ル・カインといえば絵本作家というイメージが強いですが、実はとても早くからアニメーションの世界に関わっていたそうです。11歳で初めてアニメーション映画を制作し、なんと15歳のときにはアニメーターとしてイギリスに渡ったとのこと。その後、亡くなるまでずっとアニメーション映画の制作に携わっていたそうです。そんな経歴があったなんて、今回初めて知りました。
絵本の絵に目を向けてみると、タペストリーやイコン画から影響を受けたというスタイルが随所に見られます。同じ模様の繰り返しや装飾的な枠のデザインなど、形や配色のバランスがとても美しく、じっくり見入ってしまいます。デフォルメされた人物やモノにも温かみがあり、眺めているだけで心が和みます。
なかでも特に印象に残ったのは、「家」が主人公の絵本でした。残念ながら撮影NGだったので写真はありませんが、せめてタイトルだけでもメモしておけばよかったと後悔しています。ネットで探してみても、まだ見つけられていません。
その絵本の家たちは、建物にしっかり表情があって、伸びたり縮んだり、アングルが変わっても「建物らしさ」がちゃんと保たれているのがすごいんです。大胆でありながら緻密で、美しく、そして何より魅力的でした。
「おどる12人のおひめさま」とかは、再版されています。原書の色味を再現したものが新版として出ていて、美しい絵本です。

展覧会を見終わった後、思わず絵本を手に入れたくなってしまいました。やっぱり原画の迫力って凄いですね。
コメント